ある目的を達成するため、或いは、問題を解決するために、様々な人や組織が関与するとき、これらを統制するのは極めて難しい。
そもそも、同じ目的や意識で成立している人や組織であればよいが、たいていの場合は、これが異なる。また、それぞれの人や組織、特有の常識や事情がある。
このような状況の中で、一時的にある問題にむけて一体となって行動する必要がある場合は、認識の違いにより、思うように統合的な行動ができない。
このような時に最低限必要なことは、
『同じ絵を見ながら話す』
ということである。
当たり前のようにも見えるが、これがほとんどの場合できていない。
同じ絵を見ているつもりでも、実際は異なり、これが問題となり、認識の違いや行動の違いを生乱す。
情報の共有といってしまえば、簡単だが、時系列で変化する情報を統合的に管理し、これを見ながら行動できるような状態を作ることが意外に難しい。
この点に注目し、多くの人が同じ土台で考え、検討し、行動できるようにするためのものを、
『Common Operational Picture (COP:共通状況図)』
と呼んでいる。
【参考】
・Common Operational Picture (COP:共通状況図)
2013年6月16日日曜日
2013年6月9日日曜日
『自己効力感』
仕事をするにあたっては、まずは、その仕事に必要な「知識」を持っており、そして、その知識に基づいて実際に必要な行為を行える「スキル」がなければならない。
しかし、それだけでいいのか。
何か対処しなければならないとき、これら「知識」や「スキル」があればできるといものでもない。
まず第一に、それをやれるという気持ちがなければならない。何かの問題を解決する、何かの目標達成するにあたって、「そもそもそれをやれると思えるか?」ということが重要となる。
プロフェッショナルと呼ばれる人たちには、それがある。
「やれるかどうかわかりませんが、やってみます」
「たぶんできるんじゃないかと思います」
「上手くいかないかもしれませんが、やります」
「ちょっと無理そうなんですが、でもやらないわけにもいかないし....」
みたいなことでは仕事にならない。
背景や状況を理解し、その状態で、必要なことがやれるかどうかを考える。
そして、「やれると確信する」
ということが必要だ。
このようなことに関連する用語、『自己効力感』という言葉がある。
自信がない、自信を持てない人は、自己効力感がないということになる。
この『自己効力感』を高めることをまず考えるべきだ。
【参考】
・Self-efficacy (セルフエフィカシー:自己効力感)
しかし、それだけでいいのか。
何か対処しなければならないとき、これら「知識」や「スキル」があればできるといものでもない。
まず第一に、それをやれるという気持ちがなければならない。何かの問題を解決する、何かの目標達成するにあたって、「そもそもそれをやれると思えるか?」ということが重要となる。
プロフェッショナルと呼ばれる人たちには、それがある。
「やれるかどうかわかりませんが、やってみます」
「たぶんできるんじゃないかと思います」
「上手くいかないかもしれませんが、やります」
「ちょっと無理そうなんですが、でもやらないわけにもいかないし....」
みたいなことでは仕事にならない。
背景や状況を理解し、その状態で、必要なことがやれるかどうかを考える。
そして、「やれると確信する」
ということが必要だ。
このようなことに関連する用語、『自己効力感』という言葉がある。
自信がない、自信を持てない人は、自己効力感がないということになる。
この『自己効力感』を高めることをまず考えるべきだ。
【参考】
・Self-efficacy (セルフエフィカシー:自己効力感)
2013年6月8日土曜日
『OODAループ』と『NCW』
会社での管理手法として「Plan, See, Check, Action」或いは、「Plan, Do, See」というのがある。
これは、ありがちな、計画を立てるが、それと、実行が連動しない状態を避け、計画が確実に実行されるようにしていくという考えに基づいている。
このような考えが一般に浸透しているが、ちょっともう少し話は複雑だ。
そもそも、計画を立ててから、実行し、チェックする間に、周辺の環境は大きく変わっている。つまり、最初に計画した状態にはないということだ。
周辺環境がゆっくりと動くような場面ではいいが、急速に変化するような不確定な場面では、この考え方では上手くいかない。
アメリカの軍隊は、戦争においてこれを学んだ。
ここで、『OODAループ』がまず生まれた。
急速に変化する不確定な状況で、いかに対処するか。米国空軍パイロットだった、ボイドにより産出された概念だ。
そして、更に最近では、『NCW: Network Centric Warfare』という考え方だ。
世界中で起こる出来事に意味を見出し、対処するというコンピューター社会で実現した考え方だ。
これらの考え方が、仕事においても適用されつつある。
軍事では当たり前の考え方も、一般企業では、これからといったところか。
【参考】
・OODA Loop (OODA ループ)
・Network Centric Warfare (NCW:ネットワーク中心の戦い)
これは、ありがちな、計画を立てるが、それと、実行が連動しない状態を避け、計画が確実に実行されるようにしていくという考えに基づいている。
このような考えが一般に浸透しているが、ちょっともう少し話は複雑だ。
そもそも、計画を立ててから、実行し、チェックする間に、周辺の環境は大きく変わっている。つまり、最初に計画した状態にはないということだ。
周辺環境がゆっくりと動くような場面ではいいが、急速に変化するような不確定な場面では、この考え方では上手くいかない。
アメリカの軍隊は、戦争においてこれを学んだ。
ここで、『OODAループ』がまず生まれた。
急速に変化する不確定な状況で、いかに対処するか。米国空軍パイロットだった、ボイドにより産出された概念だ。
そして、更に最近では、『NCW: Network Centric Warfare』という考え方だ。
世界中で起こる出来事に意味を見出し、対処するというコンピューター社会で実現した考え方だ。
これらの考え方が、仕事においても適用されつつある。
軍事では当たり前の考え方も、一般企業では、これからといったところか。
【参考】
・OODA Loop (OODA ループ)
・Network Centric Warfare (NCW:ネットワーク中心の戦い)
2013年5月22日水曜日
本ブログの内容を本にと思ったが...。ちょっと考えなおしてみると。
このブログの内容を本にしようかと企画を考えてみた。
しかし、ちょっとよく考えてみると、それではあまりよくないような気もしてきた。
内容的には、結構、学べるところも多いしリアリティがあるのでいいのだが、なかなかこれを簡単に伝えるとなると少し工夫がいるように思う。
活字だけで何かを吸収するのは結構たいへんだ。
人が何かを覚えるのは、そんなに簡単にやれるものでもない。
一度に多くを覚えるようにするには、どうしたらいいか。
まずは、メッセージは簡単にすべきだし、これをくどくない程度の繰り返しで浸透させる必要がある。
よく言われるストーリーとして組み立てるというのもあるが、小説的/物語的な感じでも、長く関心を持続させるのも難しい気がする。
となると、どうするか。
そこで考えてみたのが、
短い完結した文章を複数つくり、これを集めたものが全体としての流れとなるようなつくりはどうだろうか。
連載っぽい感じだけど、『続き』って感じではなく、あくまで完結させる。
そんな感じで、短い時間でも読み終えることのできる文章群を考えてみたいと思う。
(何かご意見等あるかたは、ぜひ、アドバイスいただければ)
しかし、ちょっとよく考えてみると、それではあまりよくないような気もしてきた。
内容的には、結構、学べるところも多いしリアリティがあるのでいいのだが、なかなかこれを簡単に伝えるとなると少し工夫がいるように思う。
活字だけで何かを吸収するのは結構たいへんだ。
人が何かを覚えるのは、そんなに簡単にやれるものでもない。
一度に多くを覚えるようにするには、どうしたらいいか。
まずは、メッセージは簡単にすべきだし、これをくどくない程度の繰り返しで浸透させる必要がある。
よく言われるストーリーとして組み立てるというのもあるが、小説的/物語的な感じでも、長く関心を持続させるのも難しい気がする。
となると、どうするか。
そこで考えてみたのが、
短い完結した文章を複数つくり、これを集めたものが全体としての流れとなるようなつくりはどうだろうか。
連載っぽい感じだけど、『続き』って感じではなく、あくまで完結させる。
そんな感じで、短い時間でも読み終えることのできる文章群を考えてみたいと思う。
(何かご意見等あるかたは、ぜひ、アドバイスいただければ)
2013年3月3日日曜日
このブログの内容を本にしてみようかと...
プロフェッショナル・マインドについて、ブログに書いてきましたが、ある程度まとまって来ているので、本にしてみようかと少し思っています。
『仕事の仕方や心構え』については、結構、気にしている人も多いのではないかと思います。
特に、経験の浅い人とかは、このあたりのことを教えてくれる人が身近に見当たらないといったことがあるのではないでしょうか?
いろいろな書籍に記載されていることや、私自身の経験等もふまえ、少しずつ書いてきましたが、もう少しまとまった形にしてみようかと思っているというわけです。
さて、どうしたものか、どのような形でまとめるのがいいのか。まだ、よく考えてはいませんが、これから少し、考えてみようと思っています。
2013年2月8日金曜日
レストランサービス
レストランのサービスも、ただ食べたり飲んだりしているだけだと、あまり深く感じることはないが、よい店に行くと違いが見えてくる。
内装の雰囲気がよく、料理もいい店があったとしても、サービスマンの行動次第で「ちょっとまてよ」となってしまう。
料理を作るシェフの技術力については、だれもがなんなく想像できるが、サービスとなると、あまりイメージがわかない。
そんなことを思っていたが、いい本をみつけた。 サービスマンじゃなくて『メートル・ドテル』というようだ。
ちょっと今まで見たことのない世界が見えてくる。
『プロの仕事ってこういうことなのか』と、普段の仕事の仕方にも十分参考になると思う。
レストラン・サービスの哲学: メートル・ドテルという仕事
著者 アンドレ ソレール

内装の雰囲気がよく、料理もいい店があったとしても、サービスマンの行動次第で「ちょっとまてよ」となってしまう。
料理を作るシェフの技術力については、だれもがなんなく想像できるが、サービスとなると、あまりイメージがわかない。
そんなことを思っていたが、いい本をみつけた。 サービスマンじゃなくて『メートル・ドテル』というようだ。
ちょっと今まで見たことのない世界が見えてくる。
『プロの仕事ってこういうことなのか』と、普段の仕事の仕方にも十分参考になると思う。
レストラン・サービスの哲学: メートル・ドテルという仕事
著者 アンドレ ソレール
2013年1月19日土曜日
パウエル将軍と『AAR:アフターアクションレビュー(事後検討会)』
米国陸軍の将軍となり、国務長官も務めた。コリン・パウエルの本。
リーダーシップというタイトルを見て、よくあるリーダーシップの本かと思い、本屋でみかけながらも、買わずにいたこの本。
そうはいっても、米国陸軍の将軍だった人の本なので、一応買ってみるかとおもい購入し、読んでみた。
そしたら、これがなかなかよい。パウエルの人柄がにじみ出るような内容だ。
そして、陸軍の文化から生まれた『AAR:アフターアクションレビュー(事後検討会)』についても書かれている。
プロの仕事の仕方が、読み取れる、非常によい本だと思いう。

【参考】
・AAR:アフターアクションレビュー(事後検討会)
リーダーシップというタイトルを見て、よくあるリーダーシップの本かと思い、本屋でみかけながらも、買わずにいたこの本。
そうはいっても、米国陸軍の将軍だった人の本なので、一応買ってみるかとおもい購入し、読んでみた。
そしたら、これがなかなかよい。パウエルの人柄がにじみ出るような内容だ。
そして、陸軍の文化から生まれた『AAR:アフターアクションレビュー(事後検討会)』についても書かれている。
プロの仕事の仕方が、読み取れる、非常によい本だと思いう。
【参考】
・AAR:アフターアクションレビュー(事後検討会)
2012年12月23日日曜日
能力を最大限に発揮するための「メンタルリハーサル」
スポーツの世界で確立された、「メンタルリハーサル」
プレッシャーに押しつぶされることなく、自分の能力を最大限に発揮する、そのために何をすればいいかということから生まれた。
何度も実際の場面を事前に経験することにより、本番で不本意な結果に終わることなく競技を終える。そんな手法。
実力を発揮できないんじゃないかと思う「思い込み」、普段からは考えられない「ミス」を連発ということからいかに遠ざかることができるのか。
「メンタルトレーニング」、「ビジュアリゼーション」として扱われることもある。
更に探求するなら、
http://inquisitivemind.jimdo.com/mental-rehearsal-メンタル-リハーサル/
スポーツ以外でのプロフェッショナルを参考にするなら
「メンタルリハーサル」
http://professionalmind.blogspot.jp/2010/10/13.html#links
「思い込みによるミス」
http://professionalmind.blogspot.jp/2010/12/14.html#links
プレッシャーに押しつぶされることなく、自分の能力を最大限に発揮する、そのために何をすればいいかということから生まれた。
何度も実際の場面を事前に経験することにより、本番で不本意な結果に終わることなく競技を終える。そんな手法。
実力を発揮できないんじゃないかと思う「思い込み」、普段からは考えられない「ミス」を連発ということからいかに遠ざかることができるのか。
「メンタルトレーニング」、「ビジュアリゼーション」として扱われることもある。
更に探求するなら、
http://inquisitivemind.jimdo.com/mental-rehearsal-メンタル-リハーサル/
スポーツ以外でのプロフェッショナルを参考にするなら
「メンタルリハーサル」
http://professionalmind.blogspot.jp/2010/10/13.html#links
「思い込みによるミス」
http://professionalmind.blogspot.jp/2010/12/14.html#links
2012年9月8日土曜日
ニューヨーク、ハドソン川への緊急着水
2011年9月1日木曜日
19. 具体的な達成点
目標を持つことなく、なんとなく仕事をするようなことは、特に最近では、少なくなってきました。会社全体や部門だけでなく、個人単位に目標を設定し、達成に向けて行動することが、営業職以外でも一般的になっています。
そして、この目標達成に当たっては、単に目標を掲げるだけでなく、どのように達成するのかを具体的に考えたり、また、途中の過程については、進捗管理が頻繁に行われたりします。販売部門における売上目標、特定の商品の販売目標、最終的に個人の評価に繋がる業務目標、改善活動における目標など、立場の違いにより、いろいろな目標と関わることになります。
しかし、この目標も、初めから実現性について疑問視される、いわゆる「努力目標」や、達成することよりも、目標を設定することに注力してしまうようなことも依然としてみられます。
「ちょっと、いくらなんでもこれは無理なんじゃないかなあ」、「どういう根拠で決めているのか分からなけど、年々目標が上がっているよなあ」、「これって、なんかやれそうな気がしないよなあ」などという会話が職場において聞かれることがあります。
目標は、雲をつかむようなものであってはいけません。具体的な達成への道筋が伴っていなければなりません。「達成することが望まれる目標」ではなく、「必ず達成する目標」を設定しなければなりません。掛け声的な目標に満足することなく、達成への過程を具体的に考え、行動計画へと結びつけられるようなものを目標とする。こんな目標でないならば、達成の見通しは、最初から低いということになってしまします。
「目標(Objective)は、「達成可能な到達点」で、抽象的な目的(Object)とは異なる。言い換えれば、「だれが(Who)」「いつ(When)」「どこで(Where)」「なぜ(Why)」「何を(What)」「いかに(How)」するかの5W1Hがはっきりしている具体的な達成点である。- 軍事評論家(元陸上自衛隊陸将補) -”(P47)」
松村劭 (2003) “勝つための状況判断学:軍隊に学ぶ戦略ノート (PHP新書)” PHP研究所
そして、この目標達成に当たっては、単に目標を掲げるだけでなく、どのように達成するのかを具体的に考えたり、また、途中の過程については、進捗管理が頻繁に行われたりします。販売部門における売上目標、特定の商品の販売目標、最終的に個人の評価に繋がる業務目標、改善活動における目標など、立場の違いにより、いろいろな目標と関わることになります。
しかし、この目標も、初めから実現性について疑問視される、いわゆる「努力目標」や、達成することよりも、目標を設定することに注力してしまうようなことも依然としてみられます。
「ちょっと、いくらなんでもこれは無理なんじゃないかなあ」、「どういう根拠で決めているのか分からなけど、年々目標が上がっているよなあ」、「これって、なんかやれそうな気がしないよなあ」などという会話が職場において聞かれることがあります。
目標は、雲をつかむようなものであってはいけません。具体的な達成への道筋が伴っていなければなりません。「達成することが望まれる目標」ではなく、「必ず達成する目標」を設定しなければなりません。掛け声的な目標に満足することなく、達成への過程を具体的に考え、行動計画へと結びつけられるようなものを目標とする。こんな目標でないならば、達成の見通しは、最初から低いということになってしまします。
「目標(Objective)は、「達成可能な到達点」で、抽象的な目的(Object)とは異なる。言い換えれば、「だれが(Who)」「いつ(When)」「どこで(Where)」「なぜ(Why)」「何を(What)」「いかに(How)」するかの5W1Hがはっきりしている具体的な達成点である。- 軍事評論家(元陸上自衛隊陸将補) -”(P47)」
松村劭 (2003) “勝つための状況判断学:軍隊に学ぶ戦略ノート (PHP新書)” PHP研究所
2011年4月29日金曜日
18. エネルギーあふれるチーム
勢いのある集団を作り上げるために、モチベーションというものに関心が寄せられています。特に最近では、この傾向が強く、少々関心が向きすぎているような気がします。人やチームの高揚は、「モチベーションという名のスイッチ」を誰かが押して生まれるものではありません。もちろん、報酬や制度といった仕組みも大切ですが、これらは、動かし難いものに対して何とか外部から刺激を与え、動かそうとするものです。本当に、人はそのようなことだけで必死に努力し、そして勢いのあるチームが生まれのでしょうか。ちょっと無理があるような気がします。
まず、大前提となるのは、メンバーやリーダー同士が信頼し合うことができるのかということです。お互いのことを気にする気持ち、気にかける気持ちが、まず、必要なはずです。これは、組織の制度や管理手法の問題ではありません。最近は、人と人とのつながりが重要であると言いながらも、実際にはあまり重視されておらず、むしろ、軽視されているように思えます。
また、別の見方として、意図的にではなく、自然とあることに意識を集中し、時間を忘れるほどの高揚感を得るという状態を研究した「フロー理論」というものがあります。外部からの強引な刺激というより、ある条件が整ったときに何かの力に自然と動かされるような感覚で行動し、高い成果を上げる、そんなことの存在が関心を集めています。制度、報酬、管理手法という「外圧」の世界から、「人」を中心とした考え方へと、ようやく一歩進もうとしています。
今までの取り組みは、扱い易いことについては手厚く対応し、扱い難い「人」の問題については、掛け声だけで、根本的なことに手をつけることなく、仕組みや制度で何とか対応したように見せようとしているように思います。そろそろ、こんなやり方から離れ、人と人との関係について、真剣に考えていく時期に来ていると思います。価値ある商品やサービスを生み出すのは、仕組みや制度といった外部からの人工的な刺激ではなく、人の内側から生まれるものや、信頼の絆で結ばれた仲間たちの存在なのではないでしょうか。
「スタッフはまずお互いを思いやることが大切だと理解できてこそ、お客様に対して意義あるもてなしができるのだ。レストランだけでなくどのような分野でも、メンバーが互いに尊重しあい、信頼しあうことで、エネルギーにあふれ、しっかりと動機づけのできた勝てるチームを作っていける。ニューヨーク レストラングループ オーナー (P175)」Danny Meyer (2008) “Setting the Table: The Transforming Power of Hospitality in Business (おもてなしの天才:ニューヨークの風雲児が実践する成功のレシピ)” Harper Paperbacks (ダイヤモンド社)
まず、大前提となるのは、メンバーやリーダー同士が信頼し合うことができるのかということです。お互いのことを気にする気持ち、気にかける気持ちが、まず、必要なはずです。これは、組織の制度や管理手法の問題ではありません。最近は、人と人とのつながりが重要であると言いながらも、実際にはあまり重視されておらず、むしろ、軽視されているように思えます。
また、別の見方として、意図的にではなく、自然とあることに意識を集中し、時間を忘れるほどの高揚感を得るという状態を研究した「フロー理論」というものがあります。外部からの強引な刺激というより、ある条件が整ったときに何かの力に自然と動かされるような感覚で行動し、高い成果を上げる、そんなことの存在が関心を集めています。制度、報酬、管理手法という「外圧」の世界から、「人」を中心とした考え方へと、ようやく一歩進もうとしています。
今までの取り組みは、扱い易いことについては手厚く対応し、扱い難い「人」の問題については、掛け声だけで、根本的なことに手をつけることなく、仕組みや制度で何とか対応したように見せようとしているように思います。そろそろ、こんなやり方から離れ、人と人との関係について、真剣に考えていく時期に来ていると思います。価値ある商品やサービスを生み出すのは、仕組みや制度といった外部からの人工的な刺激ではなく、人の内側から生まれるものや、信頼の絆で結ばれた仲間たちの存在なのではないでしょうか。
「スタッフはまずお互いを思いやることが大切だと理解できてこそ、お客様に対して意義あるもてなしができるのだ。レストランだけでなくどのような分野でも、メンバーが互いに尊重しあい、信頼しあうことで、エネルギーにあふれ、しっかりと動機づけのできた勝てるチームを作っていける。ニューヨーク レストラングループ オーナー (P175)」Danny Meyer (2008) “Setting the Table: The Transforming Power of Hospitality in Business (おもてなしの天才:ニューヨークの風雲児が実践する成功のレシピ)” Harper Paperbacks (ダイヤモンド社)
2011年3月21日月曜日
【特別編】 自衛隊の活躍
地震、原発の今、自衛隊が活躍している。(もちろん警察、消防もだけど)
普段、あまり目立たないというか、微妙な立場にいる自衛隊ですが、やっぱり、国の非常事態では、日々訓練をしている統制のとれた組織が非常に重要となります。道があって、電気があってという時には、警察と消防で対応できると思いますが、やはり、何も無いところでも、行動できるのは、自衛隊のような方々に頼るしかない。今回も、私たちは彼らの頼るしかない。感謝しなくては。
自衛隊の活躍の様子は、TVで紹介されているけど、でも、実際にどんな思いで行動しているのかは、私たちが知る機会は少ない。ちょっと、古い事件ですが、自衛隊の方々の活躍の様子を知る事ができる書籍を紹介したいと思います。実際に指揮官としてたずさわった方が書いているので、リアリティがあります。
福山 隆 (2009) "「地下鉄サリン事件」戦記:出動自衛隊指揮官の戦闘記録" 光人社
普段、あまり目立たないというか、微妙な立場にいる自衛隊ですが、やっぱり、国の非常事態では、日々訓練をしている統制のとれた組織が非常に重要となります。道があって、電気があってという時には、警察と消防で対応できると思いますが、やはり、何も無いところでも、行動できるのは、自衛隊のような方々に頼るしかない。今回も、私たちは彼らの頼るしかない。感謝しなくては。
自衛隊の活躍の様子は、TVで紹介されているけど、でも、実際にどんな思いで行動しているのかは、私たちが知る機会は少ない。ちょっと、古い事件ですが、自衛隊の方々の活躍の様子を知る事ができる書籍を紹介したいと思います。実際に指揮官としてたずさわった方が書いているので、リアリティがあります。
福山 隆 (2009) "「地下鉄サリン事件」戦記:出動自衛隊指揮官の戦闘記録" 光人社
2011年2月12日土曜日
17.信頼の生まれ方
チームワークや信頼関係というと、長く一緒に働いている者同士において、自然に生まれてくるもの、自然に培われていくことのようにも思えますが、このようなことが期待できない場合もあります。仕事の性質上、時間をかけて自然にということが成り立たない世界があります。専門性の高い者同士が、その場、その場で一時的に集まり、目標を達成し、そして解散するような仕事です。
このような仕事においては、初対面の者同士が、一瞬で、相手とのコミュニケーションをとり、できるかぎりの関係を築くことが求められます。簡単な挨拶や自己紹介のようなことでさえも、ここでは、非常に重要になってきます。
少し古い話ですが、以前、イベント関係の仕事に関わっていたことがありました。このとき、決められた時間に会場に行くと、本日限りの付き合いでしかない様々な立場の関係者同士が、必ずキチンと挨拶をしていたのを良く見かけました。挨拶が基本だと言わんばかりの光景でした。今、考えれば、これも、名前も顔も知らないもの同士が一日限りの仕事をスムーズに行うための重要な技なのだと思います。
信頼関係は、時間が勝手に築いてくれるものではありません。日々の行動や経験、組織の共通の価値観、専門性の高い物同士の敬意、ちょっとした言葉のやり取り、厳しい訓練や乗り越えた危機的な状況が、この信頼の基盤を少しずつ築いていくのです。
ほんの一日や一回だけの仕事であっても、仕事にはお互いの信頼というものが必要になります。少なくともここでは、信頼関係とまでは行かなくても、その瞬間にできるかぎりの心のつながりをつくることが求められます。そして、そのためには、ちょっとした挨拶や会話ですら重要な意味をもつことになります。
「毎回違うメンバーでフライトをするため、ブリーフィングでの情報や意識の共有化は必須ですし、ここから生まれる雰囲気でその日のフライトが左右されるといっても過言ではありません。チームワークでひとつのフライトを創りあげるCAにとって、ブリーフィングの位置づけはとても大きいのです。- 旅客機 CA(キャビンアテンダント) - (P38) 」
里岡美津奈 (2009) “スーパーCAの仕事術” メディアファクトリー
このような仕事においては、初対面の者同士が、一瞬で、相手とのコミュニケーションをとり、できるかぎりの関係を築くことが求められます。簡単な挨拶や自己紹介のようなことでさえも、ここでは、非常に重要になってきます。
少し古い話ですが、以前、イベント関係の仕事に関わっていたことがありました。このとき、決められた時間に会場に行くと、本日限りの付き合いでしかない様々な立場の関係者同士が、必ずキチンと挨拶をしていたのを良く見かけました。挨拶が基本だと言わんばかりの光景でした。今、考えれば、これも、名前も顔も知らないもの同士が一日限りの仕事をスムーズに行うための重要な技なのだと思います。
信頼関係は、時間が勝手に築いてくれるものではありません。日々の行動や経験、組織の共通の価値観、専門性の高い物同士の敬意、ちょっとした言葉のやり取り、厳しい訓練や乗り越えた危機的な状況が、この信頼の基盤を少しずつ築いていくのです。
ほんの一日や一回だけの仕事であっても、仕事にはお互いの信頼というものが必要になります。少なくともここでは、信頼関係とまでは行かなくても、その瞬間にできるかぎりの心のつながりをつくることが求められます。そして、そのためには、ちょっとした挨拶や会話ですら重要な意味をもつことになります。
「毎回違うメンバーでフライトをするため、ブリーフィングでの情報や意識の共有化は必須ですし、ここから生まれる雰囲気でその日のフライトが左右されるといっても過言ではありません。チームワークでひとつのフライトを創りあげるCAにとって、ブリーフィングの位置づけはとても大きいのです。- 旅客機 CA(キャビンアテンダント) - (P38) 」
里岡美津奈 (2009) “スーパーCAの仕事術” メディアファクトリー
2011年1月27日木曜日
16.ストレス下における「信頼関係」
チームにおけるお互いの信頼関係。このような言葉は、なんとなく大切であることは理解できますが、これが具体的になぜ必要なのかと問われると、ちょっと首をひねってしまうかもしれません。普段の仕事においては、信頼関係について、特に気にすることもなく、無くても何がどうなるというものでもない、そんなふうに考えているかもしれません。確かに、決まりきった仕事をする上では、あまり意識する必要はないかもしれません。
しかし、非常に精神的に強いストレスを感じるような場面では、話が全く違ってきます。危険を伴うような仕事、自分の能力を上回る仕事、何が起こるか分からないような不確定要素の多い仕事、何かの強いプレッシャーを感じてしまうような仕事においては、この信頼というものが必要となってきます。信頼関係というものは、不安やストレスから身を守る心の安全ネットのような役割を担います。このような安全ネットがあって初めて、ストレスやリスクのあることに向かって立ち向かうことができるのです。
「そんな仕事、まだやってたんだ」、「それはあなたの仕事であって、私の仕事ではありません」、「お手並み拝見といったところかな」などと言っているようでは困ります。職場というものは、誰かがいつも気にしてくれている、見ていてくれる。何かあったら助けてくれる。そんなことを感じられる関係や場でなければなりません。こんな雰囲気が部屋いっぱいに広がっている、そんな信頼の基盤とも言える場が必要なのです。
自分の今いる安心できる世界、安定した世界から、不安定で危険な世界に移るときには、このような信頼の基盤が必要となってくるのです。不安やストレスといった重い錘を押し戻し、自分の気持ちのバランスをとるためには、人と人との信頼というものが必要となります。何かあったら、戻れるところ、或いは、助けてくれる人たちといったことが、難しい仕事を成し遂げ、人を成長させるのです。
「信頼は、とくにストレス下で仕事を遂行するためには欠かせないものである。リーダーと部下との間に信頼関係がある場合、部下がストレスを感じると、あなた(リーダー)への信頼や信用が、恐れや不安を制御する盾のように働く。- ニューヨーク消防局消防隊 隊長 - (P105) 」
John Salka / Barret Neville (2004) “First in, Last out: Leadership Lessons from the New York Fire Department (人を動かす火事場の鉄則)” Portfolio Trade (講談社)
しかし、非常に精神的に強いストレスを感じるような場面では、話が全く違ってきます。危険を伴うような仕事、自分の能力を上回る仕事、何が起こるか分からないような不確定要素の多い仕事、何かの強いプレッシャーを感じてしまうような仕事においては、この信頼というものが必要となってきます。信頼関係というものは、不安やストレスから身を守る心の安全ネットのような役割を担います。このような安全ネットがあって初めて、ストレスやリスクのあることに向かって立ち向かうことができるのです。
「そんな仕事、まだやってたんだ」、「それはあなたの仕事であって、私の仕事ではありません」、「お手並み拝見といったところかな」などと言っているようでは困ります。職場というものは、誰かがいつも気にしてくれている、見ていてくれる。何かあったら助けてくれる。そんなことを感じられる関係や場でなければなりません。こんな雰囲気が部屋いっぱいに広がっている、そんな信頼の基盤とも言える場が必要なのです。
自分の今いる安心できる世界、安定した世界から、不安定で危険な世界に移るときには、このような信頼の基盤が必要となってくるのです。不安やストレスといった重い錘を押し戻し、自分の気持ちのバランスをとるためには、人と人との信頼というものが必要となります。何かあったら、戻れるところ、或いは、助けてくれる人たちといったことが、難しい仕事を成し遂げ、人を成長させるのです。
「信頼は、とくにストレス下で仕事を遂行するためには欠かせないものである。リーダーと部下との間に信頼関係がある場合、部下がストレスを感じると、あなた(リーダー)への信頼や信用が、恐れや不安を制御する盾のように働く。- ニューヨーク消防局消防隊 隊長 - (P105) 」
John Salka / Barret Neville (2004) “First in, Last out: Leadership Lessons from the New York Fire Department (人を動かす火事場の鉄則)” Portfolio Trade (講談社)
2011年1月8日土曜日
15.率直さを奨励し“イエスマン“を認めない
今、まさに起ころうとしている事態について正確に理解できたとしても、ここで問題となるのは、それを誰が知ったのか、つまり、これを知った人の立場が問題になります。
もし、何か良くない前兆を知った人が、その分野において経験の少ない人であったなら、経験豊富な人に対し、言い難い状態となってしまいます。更に、経験だけでなく、立場も弱いため、どのように評価されるのかということも気になり、ますます、言い難い状態となります。よほどの人で無い限りは、「ちょっと待てよ」「もうちょっと様子を見てから」などという気持ちがわいてきます。
また、言われた側が、キチンと受け止められるかどうかも問題になります。「何を言っているのか。そんなはずはない」、「自分がちゃんと確認したことだから」、「ごちゃごちゃ言うんじゃない」などともし言うのであれば、言いづらい雰囲気を職場全体につくってしまいます。ベテラン社員には、経験に基づく、いろいろな判断の物差しがあると思いますが、この物差しで測れないことについて、一方的に否定する、否定しようとする雰囲気を作ってはいけません。
どうしても人は、人によく思われたいという気持ちが起こります。特に、まだ、キャリアがスターとしたばかりの人にとっては、自分がどのように評価されるのかということは、非常に気になります。同期との差は、この時点ではさほどないため、将来を左右することになるかもしれないと考えるようなこともあると思います。このため、なるべく相手に受け入れられるような言動や態度をとってしまいます。これでは、プロとは言えないとはわかっていても。
事が起こる前に知った前兆に対して、回避策がとられることなく放置されるようなことがあってはなりません。このため、経験の豊富な人、立場の上の人は、プライドなどに気をとられることなく、誰もが今起こっていることを率直に伝え易い雰囲気を作ることがたいせつです。進言や意見を感情的にひたすら否定するようなことがあってならないのです。
「上官達は部下達の率直さを奨励すべきであって、決して上官風を吹かせてはならない。自分の昇進を目的とした迎合的態度、すなわち“イエスマン”としての行動は許容されないのだ。- 米国海兵隊 -(P71)」
北村淳 / 北村愛子 (2009) “アメリカ海兵隊のドクトリン” 芙蓉書房出版
もし、何か良くない前兆を知った人が、その分野において経験の少ない人であったなら、経験豊富な人に対し、言い難い状態となってしまいます。更に、経験だけでなく、立場も弱いため、どのように評価されるのかということも気になり、ますます、言い難い状態となります。よほどの人で無い限りは、「ちょっと待てよ」「もうちょっと様子を見てから」などという気持ちがわいてきます。
また、言われた側が、キチンと受け止められるかどうかも問題になります。「何を言っているのか。そんなはずはない」、「自分がちゃんと確認したことだから」、「ごちゃごちゃ言うんじゃない」などともし言うのであれば、言いづらい雰囲気を職場全体につくってしまいます。ベテラン社員には、経験に基づく、いろいろな判断の物差しがあると思いますが、この物差しで測れないことについて、一方的に否定する、否定しようとする雰囲気を作ってはいけません。
どうしても人は、人によく思われたいという気持ちが起こります。特に、まだ、キャリアがスターとしたばかりの人にとっては、自分がどのように評価されるのかということは、非常に気になります。同期との差は、この時点ではさほどないため、将来を左右することになるかもしれないと考えるようなこともあると思います。このため、なるべく相手に受け入れられるような言動や態度をとってしまいます。これでは、プロとは言えないとはわかっていても。
事が起こる前に知った前兆に対して、回避策がとられることなく放置されるようなことがあってはなりません。このため、経験の豊富な人、立場の上の人は、プライドなどに気をとられることなく、誰もが今起こっていることを率直に伝え易い雰囲気を作ることがたいせつです。進言や意見を感情的にひたすら否定するようなことがあってならないのです。
「上官達は部下達の率直さを奨励すべきであって、決して上官風を吹かせてはならない。自分の昇進を目的とした迎合的態度、すなわち“イエスマン”としての行動は許容されないのだ。- 米国海兵隊 -(P71)」
北村淳 / 北村愛子 (2009) “アメリカ海兵隊のドクトリン” 芙蓉書房出版
2010年12月27日月曜日
14.思い込みによるミス
次に、望まない事態が起こる原因について、考えてみます。自然災害のような、どうすることも出来ないようなこともありますが、ほとんどの場合、人為的なミスが最終的に不本意な災難を生み出します。人為的なミスが、根本原因でなかったとしても、本来、回避できるはずのことを、ちょっとした人の不注意などが、問題を大きくすることがあります。機械の故障などの不都合なことが複数積み重なっていたとしても、その頂点に立つ人が最終的に正しくものを見て行動していれば、避けられたといったことも多いはずです。
人によるミスの原因は、「思い込み」や「勘違い」よるものです。オフィスにおいても、毎日のようにこんなことが起こります。会議の日時、重要な連絡事項、考慮すべき前提条件、書類の提出日など、事のインパクトも様々ですが、ミスのない日はありませんし、ミスをしない人などはなかなかいません。特に急いでいるときには、ミスをしてしまう可能性が著しく高くなります。
人の記憶や行動は、機械のように正確なものではありません。「確かに、確認したはずなのに」、「おかしいなあ、伝えたと思ったのですが」、「今、考えてみるとそう聞いたかもしれないのですが」といったふうに、曖昧な行動をとってしまいます。
このように、見えていたはずなのに見えていなかったり、実際にはやっていないにもかかわらずやったと思ったり、考えたこと逆さまの行動をとっていたりなど、こんなことが多くなっています。特に、精神的に余裕の無いときや、最初の状態から何かが変更されたときなどの混乱しているときにこのようなことが起きてしまいます。
やはり、人が関与する以上、必ずミスが起こるという前提に立ち、できるだけ、人に依存しないような防止策を考えていくことがたいせつです。そして、人に頼らざるを得ないようなことについては、思い込みによるミスの可能性を十分に考えた防止策が必要となってきます。
「人間が犯すエラーの中で大きな役割を占めるのに「思い込み」によるものがある。人間はいったん思い込みをしてしまうと、他から多くの情報を与えられても、その誤りに気がつかないものである。- 旅客機B747 機長 -(P66)」
杉江 弘 (2006) “機長が語るヒューマン・エラーの真実” ソフトバンククリエイティブ
【参考】
・パイロット:旅客機 機長
・パイロット:戦闘機
・Heuristic (ヒューリスティック)
・Human Error (ヒューマン・エラー)
・Checklist (チェックリスト)
人によるミスの原因は、「思い込み」や「勘違い」よるものです。オフィスにおいても、毎日のようにこんなことが起こります。会議の日時、重要な連絡事項、考慮すべき前提条件、書類の提出日など、事のインパクトも様々ですが、ミスのない日はありませんし、ミスをしない人などはなかなかいません。特に急いでいるときには、ミスをしてしまう可能性が著しく高くなります。
人の記憶や行動は、機械のように正確なものではありません。「確かに、確認したはずなのに」、「おかしいなあ、伝えたと思ったのですが」、「今、考えてみるとそう聞いたかもしれないのですが」といったふうに、曖昧な行動をとってしまいます。
このように、見えていたはずなのに見えていなかったり、実際にはやっていないにもかかわらずやったと思ったり、考えたこと逆さまの行動をとっていたりなど、こんなことが多くなっています。特に、精神的に余裕の無いときや、最初の状態から何かが変更されたときなどの混乱しているときにこのようなことが起きてしまいます。
やはり、人が関与する以上、必ずミスが起こるという前提に立ち、できるだけ、人に依存しないような防止策を考えていくことがたいせつです。そして、人に頼らざるを得ないようなことについては、思い込みによるミスの可能性を十分に考えた防止策が必要となってきます。
「人間が犯すエラーの中で大きな役割を占めるのに「思い込み」によるものがある。人間はいったん思い込みをしてしまうと、他から多くの情報を与えられても、その誤りに気がつかないものである。- 旅客機B747 機長 -(P66)」
杉江 弘 (2006) “機長が語るヒューマン・エラーの真実” ソフトバンククリエイティブ
【参考】
・パイロット:旅客機 機長
・パイロット:戦闘機
・Heuristic (ヒューリスティック)
・Human Error (ヒューマン・エラー)
・Checklist (チェックリスト)
2010年10月24日日曜日
13.メンタルリハーサル
危機的状況への対処法として、事前にどう行動すべきかを決めておく必要がありますが、これが実際の場面においても、確実に実行できなければ意味がありません。こうすればいいと頭では分かっていても、実際にやってみたら、やれなかったというわけには行きません。
オフィスビルの火災や地震を想定して、避難訓練を行うことはありますが、実際の場面でどこまで何ができるのか疑問なところもあります。本当に発生してしまった時には、煙が蔓延するということだけでなく、つい先程までのオフィスの雰囲気とは全く別の世界になってしまうはずです。慌てた人たちでフロアや階段は埋め尽くされ、いつも普通にやっている行動ですら、できなくなってしまいます。
非常事態においても、決められた行動を迅速にとるためには、より現実的な場面を設定したリハーサルを行うことが大切です。このリハーサルは、行動の手順ということだけなく、恐怖や不安の中においても実行できる、精神的な面でのリハーサルでかければなりません。
品質に問題のある商品が市場に出回ったと分かった時の対応、システム障害を一刻も早く復旧するための対応、新たな脅威である新型インフルエンザの企業内での蔓延防止などといったことへの対応方法について関心が集まっていますが、対応を迅速に行うような訓練が実際になされているかと言われると、必ずしもそうではありません。
時間や費用の制約はありますが、何か望まない事態が起こったときに受けるダメージと比較し、本当の意味で、その時、行動できるように準備しておかなければなりません。少なくとも、事が起こった時の状態をリアルにイメージした上で、対応する訓練が必要となります。「あれっ、どうすればいいんだっけ」では、すまない時が来るはずです。
「自分の取るべき行動をビジュアライズ(その時の光景と自分の体の動きを頭の中でくっきりと思いうかべること)させ、心の中で前もってリハーサル(予行演習)を行っておくのです。これは「メンタルリハーサル」とも呼ばれ、スポーツ選手のトレーニングや軍事訓練や医学の治療など、さまざまな分野で用いられており、有効性が証明されています。- 元サンディエゴ市警 警察官 -(P26)」
Sanford Strong (1997) “Strong on Defense (凶悪犯から身を守る本)” Atria (毎日新聞社)
【参考】
・Mental Rehearsal (メンタル・リハーサル)
オフィスビルの火災や地震を想定して、避難訓練を行うことはありますが、実際の場面でどこまで何ができるのか疑問なところもあります。本当に発生してしまった時には、煙が蔓延するということだけでなく、つい先程までのオフィスの雰囲気とは全く別の世界になってしまうはずです。慌てた人たちでフロアや階段は埋め尽くされ、いつも普通にやっている行動ですら、できなくなってしまいます。
非常事態においても、決められた行動を迅速にとるためには、より現実的な場面を設定したリハーサルを行うことが大切です。このリハーサルは、行動の手順ということだけなく、恐怖や不安の中においても実行できる、精神的な面でのリハーサルでかければなりません。
品質に問題のある商品が市場に出回ったと分かった時の対応、システム障害を一刻も早く復旧するための対応、新たな脅威である新型インフルエンザの企業内での蔓延防止などといったことへの対応方法について関心が集まっていますが、対応を迅速に行うような訓練が実際になされているかと言われると、必ずしもそうではありません。
時間や費用の制約はありますが、何か望まない事態が起こったときに受けるダメージと比較し、本当の意味で、その時、行動できるように準備しておかなければなりません。少なくとも、事が起こった時の状態をリアルにイメージした上で、対応する訓練が必要となります。「あれっ、どうすればいいんだっけ」では、すまない時が来るはずです。
「自分の取るべき行動をビジュアライズ(その時の光景と自分の体の動きを頭の中でくっきりと思いうかべること)させ、心の中で前もってリハーサル(予行演習)を行っておくのです。これは「メンタルリハーサル」とも呼ばれ、スポーツ選手のトレーニングや軍事訓練や医学の治療など、さまざまな分野で用いられており、有効性が証明されています。- 元サンディエゴ市警 警察官 -(P26)」
Sanford Strong (1997) “Strong on Defense (凶悪犯から身を守る本)” Atria (毎日新聞社)
【参考】
・Mental Rehearsal (メンタル・リハーサル)
2010年9月14日火曜日
12.最悪の事態のための「心構え」
事が起こったその時に、慌てることなく、やるべきことを次から次へとやっていく。誰もがこんなふうに本当にやれるのでしょうか。ちょっと想像してみてください。
突然の出来事においては、あらゆることが混乱するため、正確な情報を得られることは期待できないし、しかも、その判断は、数時間をかけて行うわけにはいかず、ほんの一瞬で行わなければならないかもしれません。静かに周りを見回し、冷静に考え、最適な判断をすることなど、よほどの経験を持っているか、具体的な訓練がなされていない限り無理なことです。
慌てて軽率な行動をしたり、逆に、頭の中が整理できずに議論や判断が長引き、時間だけが過ぎていったりします。気づいた時には、あっという間に数時間が。
ちょっとしたことでも気持ちの余裕のないときには、普段では、考えられないようなミスをしてしまうことがあります。不意に何かに気を取られただけでも、何か大切なものを置き忘れたり、落としたり、どこに置いたのか分からなくなってしまいます。また、毎日のようにやっていることで、考える必要もなく自然に行っていることも、ふと、何かのトラブル時に、意図的にやろうとしても、どうするのか思い出せなかったりします。ましてや、緊急時には、思い出せない、考えられないミスをする、何をしていいのか分からなくなる、やれるはずのことが上手くできないといったことが起こります。
こんなことを避けるには、どんなことが起こりえるのか、そして、その時、何をすればよいのかをあらかじめ考えておくことが大切です。
突然の出来事にうろたえることなく行動するためには、事が起こる前にいろいろなことを想定し、その時の対応を決めておかなければなりません。そして、このような事前の想定が、気持ちを落ち着かせ、冷静な対応をする上での心の基盤となります。
「心構えとは、最悪の事態が起きた時に「すべきこと」と「してはいけないこと」を前もって決めておくということです。- 元サンディエゴ市警 警察官 - (P28)」
Sanford Strong (1997) “Strong on Defense (凶悪犯から身を守る本)” Atria (毎日新聞社)
突然の出来事においては、あらゆることが混乱するため、正確な情報を得られることは期待できないし、しかも、その判断は、数時間をかけて行うわけにはいかず、ほんの一瞬で行わなければならないかもしれません。静かに周りを見回し、冷静に考え、最適な判断をすることなど、よほどの経験を持っているか、具体的な訓練がなされていない限り無理なことです。
慌てて軽率な行動をしたり、逆に、頭の中が整理できずに議論や判断が長引き、時間だけが過ぎていったりします。気づいた時には、あっという間に数時間が。
ちょっとしたことでも気持ちの余裕のないときには、普段では、考えられないようなミスをしてしまうことがあります。不意に何かに気を取られただけでも、何か大切なものを置き忘れたり、落としたり、どこに置いたのか分からなくなってしまいます。また、毎日のようにやっていることで、考える必要もなく自然に行っていることも、ふと、何かのトラブル時に、意図的にやろうとしても、どうするのか思い出せなかったりします。ましてや、緊急時には、思い出せない、考えられないミスをする、何をしていいのか分からなくなる、やれるはずのことが上手くできないといったことが起こります。
こんなことを避けるには、どんなことが起こりえるのか、そして、その時、何をすればよいのかをあらかじめ考えておくことが大切です。
突然の出来事にうろたえることなく行動するためには、事が起こる前にいろいろなことを想定し、その時の対応を決めておかなければなりません。そして、このような事前の想定が、気持ちを落ち着かせ、冷静な対応をする上での心の基盤となります。
「心構えとは、最悪の事態が起きた時に「すべきこと」と「してはいけないこと」を前もって決めておくということです。- 元サンディエゴ市警 警察官 - (P28)」
Sanford Strong (1997) “Strong on Defense (凶悪犯から身を守る本)” Atria (毎日新聞社)
2010年8月28日土曜日
【映画で学ぶ】 突入せよ!「あさま山荘」事件
私が子供の頃なので、もう40年ぐらい前の話に実際にあった、人質たてこもり事件について、1週間以上の間の立てこもり犯と警察とのやりとりが映画となっています。原作は、当時、警察としてこの事件を担当した、佐々 淳行 さん。
今では、人質事件やテロのような事件では、特別に訓練されている特殊部隊が、対応すると思いますが、当時は、まだ、そのような部隊が日本には存在しないため、かなり対応に苦労している姿が映し出されています。しかし、その代わりに、警察がこのような特殊な事件に、どのように対処したかが、見て取れるので、こう言った点で参考になります。
警察といっても、組織で動くため、警視庁と長野県警とのやり取りなど、普通の会社組織で起こる問題など、普段の仕事や環境に照らし合わせて考えることができます。
緊迫した非常事態での人の行動を見ながら、自分だったら、どのように何ができるのかを考えるには、よい映画だと思います。
あることが起こったとき、起こりそうなとき、どこまで、先を見通して、これに向けて行動できるのかという点についても考えるきっかけにもなると思います。
今では、人質事件やテロのような事件では、特別に訓練されている特殊部隊が、対応すると思いますが、当時は、まだ、そのような部隊が日本には存在しないため、かなり対応に苦労している姿が映し出されています。しかし、その代わりに、警察がこのような特殊な事件に、どのように対処したかが、見て取れるので、こう言った点で参考になります。
警察といっても、組織で動くため、警視庁と長野県警とのやり取りなど、普通の会社組織で起こる問題など、普段の仕事や環境に照らし合わせて考えることができます。
緊迫した非常事態での人の行動を見ながら、自分だったら、どのように何ができるのかを考えるには、よい映画だと思います。
あることが起こったとき、起こりそうなとき、どこまで、先を見通して、これに向けて行動できるのかという点についても考えるきっかけにもなると思います。
2010年7月31日土曜日
11.敵を作らない
話の進め方として、「相手を追い詰めない」ということだけでなく、自分と相手を敵対関係として位置づけることも、また、良くないことです。
例え立場の違いから意見や利害が対立していたとしても、それ以上に相手を思っているわけではありません。意見を否定しているだけで、その人を否定しているわけではありません。しかし、こちらが敵対的な態度で、強引に話を進めたり、何か不利になる状況をわざわざつくるようなことがあれば、相手も同じように相手を敵とみなします。
自分に何かの事情があるように、相手にもいろいろな事情があります。意見が重ならないことを自分と相手の問題と捉えてはいけません。そして、その違いを、その時だけでなく、永久的に続くものと思うのも間違いです。あるとき、ある人とある人の持つ意見が違っているだけのことなのです。もう少し、相手の事情やその背景を知る努力ができるのであれば、意外に、表面的な意見の違いはあっても、考えていることにさほど違いがないことに気づく場合もあります。しかし、なかなか人の気持としては、この様に捉えることができずに、即座に、迷うことなく、相手との敵対関係を作ってしまうことがあります。
対立関係が出来てしまっても、あくまで、「我々」という視点で考えることが必要です。自分の意見や立場を守るため、敵として扱うことは、結果的に自分に良くない行為として跳ね返ってきます。対立するような場面においても、敵を作らない。むずかしいことかもしれませんが、対立関係において、最も気をつけなければならない大切なことなのです。
「映画界で突然キャリアが停止して脱落していく俳優のリストは、敵を作ったり、人の足を引っ張ったりした者のリストと一致する。- ハリウッド映画俳優 - (P133)」
Michael Caine (1990) “Acting in Film (映画の演技)” Applause Theater Book Publishers (劇書房)
例え立場の違いから意見や利害が対立していたとしても、それ以上に相手を思っているわけではありません。意見を否定しているだけで、その人を否定しているわけではありません。しかし、こちらが敵対的な態度で、強引に話を進めたり、何か不利になる状況をわざわざつくるようなことがあれば、相手も同じように相手を敵とみなします。
自分に何かの事情があるように、相手にもいろいろな事情があります。意見が重ならないことを自分と相手の問題と捉えてはいけません。そして、その違いを、その時だけでなく、永久的に続くものと思うのも間違いです。あるとき、ある人とある人の持つ意見が違っているだけのことなのです。もう少し、相手の事情やその背景を知る努力ができるのであれば、意外に、表面的な意見の違いはあっても、考えていることにさほど違いがないことに気づく場合もあります。しかし、なかなか人の気持としては、この様に捉えることができずに、即座に、迷うことなく、相手との敵対関係を作ってしまうことがあります。
対立関係が出来てしまっても、あくまで、「我々」という視点で考えることが必要です。自分の意見や立場を守るため、敵として扱うことは、結果的に自分に良くない行為として跳ね返ってきます。対立するような場面においても、敵を作らない。むずかしいことかもしれませんが、対立関係において、最も気をつけなければならない大切なことなのです。
「映画界で突然キャリアが停止して脱落していく俳優のリストは、敵を作ったり、人の足を引っ張ったりした者のリストと一致する。- ハリウッド映画俳優 - (P133)」
Michael Caine (1990) “Acting in Film (映画の演技)” Applause Theater Book Publishers (劇書房)
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