2010年3月29日月曜日

1.人を信用し、そして信じない

人を信用する、或いは、しないというのは、少々厄介な問題である。

自分の部下や仲間を信じるのは、仕事をする上で必要なことであるが、だからと言って、いつも信用するというものでもない。悪意や怠慢さを感じるということではないが、人には勘違いや誤解もある。いかに、いままで良い仕事をしたり、能力が高いかったとしても、必ずしもこれを前面的に受けるわけにはいかない。
しかし、逆に、信用しないかと言えば、それも違いう。信頼というより信頼関係のようなものがなくては、まともな仕事はできない。

「信用する」、「信用しない」の二つは、簡単にどちらかが取るべき道であるということではない。この相反する二つについて、その場面でどのように考えるべきかを決める必要がある。

何か質問をしたときの確認では、相手の勘違いや、深く考えていないがために答えたこをそのまま受け取れば、時間を経て、よくない結果が待っている。ここでは、相手の状況や背景を含め、相手の返答をまともに受けるのではなく、間違ったことを言う可能性を考えることが必要となる。

例を挙げればきりがないが、仲間意識、信頼、危険、道徳、倫理、そういったことでは解決できない、重大な意味を含んでいる言葉だ。

「人を信用しなければいけないという面と疑わなければいけない面とのジレンマがある。真面目な人ほどこのジレンマにいつも陥っている。『信用しないと人はついてこない』という面と、『ただ信用していたら判断を誤る』という面とがある。- 元警視庁副総監 - (P209)」
岡田薫 (2007)“捜査指揮:判断と決断”東京法令出版

0 件のコメント:

コメントを投稿